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| 第3回定例市議会は、9月28日から代表質問が行われ、今後の財政運営や産業振興施策などについて、上田文雄市長の考えをただした。この中で市長は、今後4年間、「安心で活力あふれるまち」の実現をめざす施策を展開していくとの姿勢を明らかにした。 |
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【今後の財政運営】 |
| ● 「危機的状況は脱した」 |
経済を活性化し歳入確保 |
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第3次新まち計画に盛り込まれる事業や、市有施設の更新需要への対応など多額の財源確保が必要とされている中で、今後の財政運営の考えをただした。これについて市長は、全会計の市債残高が2兆円を下回ったことなどから「危機的な財政状況は脱することができた」との認識を示しながらも、今後も歳出構造のスリム化と財政基盤強化に向けた安定的財政運営に当たっていくとの姿勢を示した。
しのだ市議は、歳入確保対策として経済・雇用対策を積極的に実施する中で、新たな税財源の確保を求めたのに対し、市長は、新たな文化や高い付加価値を生み出す産業の創出が必要とし、「産業育成・企業誘致による雇用創出、民間開発の促進や観光客誘致による経済の活性化などで税源涵養を進めていく」とした。
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【産業振興施】 |
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市内経済の活性化に向けた産業振興策について市長は、「札幌が強みを有するIT企業と食やバイオ産業との連携で、一層の相乗効果を生み出す新たな施策を検討する」とし、北海道の強みでもある食の分野を活用しながら積極対応していく考えを示した。
市は、これまでも産学官連携によるバイオ産業の育成に努めており、研究施設や関連企業の集積が図られている。最近では、大手製薬会社と最大で130億円となる契約を結んだベンチャー企業も出ている。
また、国に「北海道フードコンプレックス国際戦略総合特区」を申請し、経済団体や道内他都市と連携して採択に向けて取り組んでいるが、産業振興には近隣市町村との連携が欠かせないことから、「北海道の中心都市としての役割を発揮しながら、新たな立地補助制度や企業間連携の支援策についても検討していく」とした。
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【公契約条例】 |
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公共事業をめぐる低価格競争で、現場労働者の賃金引き下げなどが社会問題になっている中、公契約条例の制定が求められている。これについて市長は、「関係する業界や労働組合との意見交換など幅広い検討を進めている」とし、条例案を来年の第1回定例市議会に提出する考えを明らかにした。
同条例は、市が発注した公共工事の請負や業務委託の契約に、一定水準の賃金支払いを義務付けることで、適正な労働水準を確保することを目的としたもの。条例制定に当たっては、適用する労働者の範囲や、設定賃金額の決定方法などが課題になっている。
民主党・市民連合は、2009年に制定した千葉県野田市を視察するなど、条例に関する調査研究を進めてきた。
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【今後のまちづくり】 |
| ● 「活力あふれるまち」の実現を |
市民参加徹底し戦略ビジョン策定 |
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今後のまちづくりの方向性について、上田市長は、超高齢社会や人口減少という困難な時代を乗り越えるために、「安心して暮らせるまち」「活力あふれるまち」の実現が重要だと強調。現在策定中の第3次札幌新まちづくり計画では、地域の子育て支援の拠点づくり、高齢者を支える地域福祉の仕組みづくり、道内の1次産業と市内の2次、3次産業が連携した6次産業活性化の支援などを挙げた。計画案は10月3日に公表し、現在パブリックコメントを実施している。
2012年度末の完成をめざす「札幌市戦略ビジョン」では、市民参加による施策分野別のワークショップを10月に開催し、現行施策の情報を提供した上で、改善点などの提言を得るとの考えを示した。
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【東日本大震災への対応】 |
| ● 官民共同で避難者支援 |
避難所運営のマニュアル改訂 |
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東日本大震災では、避難所生活による女性のストレスが深刻化していることから、市は、着替えや授乳スペースの確保など配慮していくとの考えを示した。昨年9月に改正した札幌市地域防災計画では「男女双方の視点に配慮した避難所運営を検討する」としてきたが、大震災で被災地に派遣した職員も対象としたヒアリング調査を実施し、避難所運営のマニュアル改訂に着手することも明らかにした。
放射線影響を心配し、札幌に避難してきた被災者の支援について市は、これまでの住宅や生活支援のほか職業相談窓口の設置、託児所の自主設置に対する助言を行ってきたとし、今後も関係機関やNPOとも連携しながら避難者支援に取り組むと答えた。
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【ごみ減量等】 |
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IT技術などに不可欠とされる非鉄金属・レアメタルは、供給が極めて脆弱とされている一方、携帯電話などの使用済み電子機器からの回収が注目を集めている。しのだ市議は、レアメタルのリサイクルを取り上げたのに対し、市は「国に対し、自治体の現状を踏まえた制度設計を求めていく」とし、積極的に対応する考えを示した。
国内でリサイクル対象となる金属を合計すると、世界埋蔵量の1割にも達するものがあるとされている。国も「使用済み小型家電の回収モデル事業」を実施したが、都市の規模や回収方式の組み合わせに差異が生じているとされ、地域特性に応じたリサイクルの制度づくりが課題になっている。
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【福祉施策】 |
| ● 介護保険料の負担軽減 |
介護支援ボランティア事業も開始 |
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介護保険施設で行うボランティア活動に対しポイントを付与する介護支援ボランティア事業について、市は、高齢者の社会参加をさらに進めるため積極的に展開していくことを明らかにした。同事業は65歳以上を対象にしたもので、第3次新まち計画案にも盛り込まれている。
3年ごとの見直しが近づいている介護保険料の負担軽減のため、都道府県の介護保険財政安定化基金取り崩しを求めたのに対し、市は、「基金の取り崩しは必要だ」とし、他都市とともに市町村への交付を道に要望したことを明らかにした。同基金は、国と都道府県、市町村が3分の1ずつ負担しているが、今年6月の介護保険法改正により、保険料の負担軽減を目的に市町村に交付できるとされた。また、都道府県負担分も同様の活用ができるとの国の見解が出されていることから、道の負担分も市町村に交付するよう働きかけていくと答えた。同時に、市の介護保険給付費準備基金の活用で、保険料の負担軽減に努めたいとしている。
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【母子保健事業】 |
| ● 切れ目のない事業展開 |
「あり方検討委員会」で課題等議論 |
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妊娠、出産、育児に焦点を当てた母子保健事業は、児童虐待の発生予防という観点からも重要になっているが、市は、同事業の今後の方針を策定するため、医師会や学識経験者などによる「あり方検討委員会」を設置することを明らかにした。
札幌市で新生児訪問指導や乳幼児健診などは、指定都市の中でも高い実施率を維持しているが、これからは、生まれる前から18歳に至るまでの、切れ目のない事業を実施していくことが重要とされている。検討委員会では地域医療・地域保健活動を推進する視点を持ちながら、検討委員会での課題の整理や解決に向けた議論を行うとしている。
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【里親制度】 |
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里親制度の重要性が高まっている中、里親支援などをただしたのに対し、市は、「里親制度の推進は、里子の成育に大変有効だ」とし、児童相談体制強化プランでは2014年度までに里親への委託率を国の目標値16%を超える18%に設定し、5月には里親委託等推進委員会を設け、関係機関との連携により里親支援の方策など検討しているとした。
里親制度は、家庭での養育が困難になった子どもを家庭的な環境で養育するもので、特に人間形成の基盤が確立する乳幼児期には有効と言われている。しかし、里親の負担も大きく、児童相談所からの支援や地域連携の取り組みも求められている。
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【不登校対策】 |
| ● きめ細かな支援実施 |
全中学校に「心のサポーター」配置 |
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依然として不登校問題が解消されない中、第3次新まち計画にも位置づけられている「心のサポーター」の取り組みについて、市は、「教職員とともに子どもや家庭を支援し、子どもが登校できる環境を整えたい」と答えた。
市は、これまでもスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを学校に配置するなどしてきたが、「心のサポーター」は、各区の家庭児童相談室やフリースクールとも連携を進めることで、一人ひとりの状況に合わせた支援を行うというもの。
設置に当たっては、モデル校を実施し、課題の検証を行いながら、早期にすべての中学校に配置するとしている。
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【遺跡公園整備】 |
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サッポロさとらんど敷地内から発掘された縄文遺跡を、食と文化を体験できる遺跡公園として整備する計画の内容をただした。これについて市は、縄文人が食していたと思われる食材を用いた調理体験や、自然との共生を尊重する縄文時代の生活体験を通して、地球温暖化などを考えるきっかけづくりを行いたいとの考えを示した。
さとらんど内には、約2300年前の縄文時代晩期と約2000年前の続縄文時代のものと思われる土器や石器などの生活道具が大量に発掘されている。
市は、次世代に残す貴重な文化遺産として、また観光資源として、来年度に設置する有識者の検討委員会で整備方針を検討するとしている。
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